かさの単位L・dL・mLの違いが分かりにくい

 かさの単位変換の学習をしているときに、LとdL、mLで表されるかさの量感が育っていないために「5mLと2dLとでは、どちらがかさが大きいですか」という問いに数字の大きさに注意が向き「5mL」と答えてしまう子どもがいます。

 

具体的な支援の方法

step1 紙パック教材による支援

 

 写真1のように、日常生活でよく見かける物を使って、かさを測る容器を作っておきます。1Lは牛乳パック、1dLは200mLのジュースパックを半分にした物を利用します。1mLは、お料理用の計量スプーンを使っています。

 初めに、1L牛乳パック升を使って「バケツに水を3L入れて」

などの課題、次に、1dLジュースパック升を使って「ボールに2dLの牛乳を入れて」などの課題、最後に1mLの計量スプーンを使って、「お椀に5mLの醤油を入れて」などの課題をおこない。LとdLとmLの量感を育てます。

 ※1L牛乳パック升を使って測る水として、1.5Lのペットボトルに水を入れたものを4~5本準備しています。

 ※牛乳や醤油は、絵具を水に溶いて作ったイミテーション。ペットボトルに入れています。

                  写真1
                  写真1

 牛乳・醤油のイミテーション


step2 「L・dL変身ます」による支援

 

 写真2写真3のように、表と裏に中の液体を見ることができる小窓のついた「L・dL変身ます」を作っておきます(カッターで窓を切り出し、荷造り用の透明テープを内と外から貼り合わせ小窓を作っています。)

 1Lに満たないかさで、dL単位で測ることができるかさの液体を1L牛乳パックますに入れておき、「1Lよりも少なくてLで測ることができないよね。こまったね。」(写真2)と声かけをします。1Lますをひっくり返し1dL目盛のますを見せ、「この目盛は、1Lを10個 に分けたもので、1目盛のかさを1dLといいます。」といい「この目盛で読むと4dLになるよね」(写真3) と1dL目盛ますで測る方法を伝えます。

1Lよりも少ないかさを測るために、新しい「もとになるかさ(1dL)」が必要になることを強調します。また、もっと少ないかさを測るために

1mLがあることにも触れておきます。

  写真2 L・dL変身ます 表
  写真2 L・dL変身ます 表
 写真3 L・dL変身ます  裏
 写真3 L・dL変身ます  裏

 写真 4 L枡・dL枡・mLスプーン
 写真 4 L枡・dL枡・mLスプーン

step3 L枡・dL枡・mLスプーンを使った支援

 

 L枡・dL枡(写真4)を使い、1dLの水を10杯入れるとちょうど1Lになることを示し、1L=10dLとミニホワイトボードに書きます。

 次に、L枡とmLスプーンを使い、mLスプーンでL枡に水を入れるジェスチャーをしながら、1mLの水を1000杯入れるとちょうど1Lになることを伝え、1L=1000mLとミニホワイトボードに書きます。

 最後に、dLますとmLスプーンを使い、mLスプーンでdL枡に水を入れるジェスチャーをしながら、

1mLの水を100杯入れるとちょうど1dLになることを伝え、1dL=100mLとミニホワイトボードに書きます。


step4 プラスティック ベース テンによる支援

     厚紙でmL枡、dL枡、L枡を作り、単位間の関係を「プラスッ

   ティック ベース テン」という教材を使って、より正確に理解できる

   ようにします。単位変換を数字だけの関係で暗記させるのではな

   く、量のイメージに基づいて捉えられるようにします。

   プラスティック ベース テンは、amazonなどで購入することができ

   ます。

L枡・dL枡・mLスプーン
L枡・dL枡・mLスプーン
厚紙で作ったL枡・dL枡・mL枡
厚紙で作ったL枡・dL枡・mL枡

  1L1dL1mLの関係

1dLと1mLの関係

1Lと1dLの関係

   1L1dL1mLの関係

1Lと1mLの関係


 プラスティックベーステン

 

プラスティックベーステン


step5 支援ソフト「かさをはかろう」による支援

 

 さんすうベーシックプラスさんすう2「かさをはかろう」の中の『かさをはかろうリットル』『かさをはかろうデシリットル』の課題を繰り返しおこなうことにより、LやdLの量感を定着させていきます。

                   図 1
                   図 1
                   図 2
                   図 2

step6 支援ソフト「かさをはかろう」による支援2

 

 さんすうベーシックプラスさんすう2「かさをはかろう」の中の『リットルたんいとデシリットルたんい』『リットルたんいとミリリットルたんい』の課題を繰り返しおこなうことにより、量感の伴った単位変換ルールを定着させていきます。

                    図 3
                    図 3
                   図 4
                   図 4

step7 支援プリントによる支援

 

 さんすうベーシックプラスの「プリント リットルたんいとデシリットルたんい」(図5)で作成したプリントは、2Lや3LなどをdL単位に変換するものです。1L=10dLを基本に答えを出していきますが、機械的暗記にならないように「L・dL変換ます」を見せ量感に基づく単位変換を強調することが大切です。

 「プリント リットルたんいとミリリットルたんい」(図6)は、2Lや9LなどをmL単位に変換する課題です。1L=1000mLを基本に答えを出していきますが、機械的暗記にならないように「LますとmLスプーン」を見せ量感に基づく単位変換を強調することが大切です。

 「プリント デシリットルたんいとミリリットルたんい」(図7)は、2dLや8dLなどをmL単位に変換する課題です。1dL=100mLを基本に答えを出していきますが、機械的暗記にならないように「dLますとmLスプーン」を見せ量感に基づく単位変換を強調することが大切です。

 

 図 5「LたんいとdLたんい」
 図 5「LたんいとdLたんい」
   図 6「LたんいmLたんい」
   図 6「LたんいmLたんい」

 図 7「dLたんいとmLたんい」
 図 7「dLたんいとmLたんい」

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