1.5+1=1.6などになってしまう

 小数のたし算で、小数点を無視して整数どうしのたし算と同じように計算をしてしまい、1.5+1=1.6のようになってしまう子どもがいます。このような場合、小数表記と量のイメージが結びついていないことが考えられますので、小数の意味と表記規則をしっかりと説明し小数表記と量のイメージが結びつける課題を繰り返しおこなうことが大切になります。

具体的な支援の方法

step1 小数カードによる支援

 

 小数の表記理解をしっかりとしたものにするために、写真1のような小数カードを使います。PC用の写真印刷用紙を使って、1辺が10cmの正方形のカードを作り元になる1とします。そして、この1を十等分した0.1カード作っておきます。

                   写真1
                   写真1

面積1平方デシメートルの色画用紙と面積1.5平方デシメートルの色画用紙と2平方デシメートルの色画用紙を作っておきます(写真2)。

 まず、面積1平方デシメートルの色画用紙と2平方デシメートルの色画用紙の二つを並べて(写真3)「どちらが広い?」という質問をします。その後、1平方デシメートルの色画用紙に、広さの元になる1のカードを当て(写真4)「この広さを1とすると、こちらの広さはいくつになる?」と言い、2平方デシメートルの色画用紙を指さします。広さの元になる1のカードを2枚当て(写真5)広さ2を答えてもらいます。

        写真2
        写真2
        写真3
        写真3

        写真4
        写真4
        写真5
        写真5

 次に、面積1平方デシメートルの色画用紙と1.5平方デシメートルの色画用紙の二つを並べて(写真6)「どちらが広い?」という質問をし、その後、1平方デシメートルの色画用紙に、広さの元になる1のカードを当て「この広さを1とすると、こちらの広さはいくつになる?」と言い、1.5平方デシメートルの色画用紙を指さします。

 広さの元になる1の カードを当て(写真7)「1よりも大きく2よりも小さくなるね。こまったね。」といい「こんなとき役にたつのが、1を十等分した0.1カードです。」とい い、0.1カードを見せ「この0.1カードを置いてみるね。」といってから0.1カードを置いていきます(写真8)。「ちょうど1と0.1カード5個ぶんにな るね。」といって、「算数ではこれをこう書きます。」といいながらミニホワイトボードに1.5と書きます。「『いってんご』と読み、1と0.1が5個ぶんという意味になります。」と伝えます。

         写真6
         写真6
        写真7
        写真7

         写真8
         写真8

step2 支援ソフト「小数のきほん」による支援

 

 さんすうベーシックプラスさんすう3「小数のきほん」の中の『小数であらわそう』の課題(図1)繰り返しおこなうことにより、小数の意味と表記規則をしっかりと定着させていきます。

                    図1
                    図1

step3 小数のたし算 小数カードによる支援

 

 1カード1枚と0.1カード5枚を合わせた状態で置き、その下に1のカードを離して置きます。(写真9)上に置かれたカードを指差し「1と0.1が5つ分なので1.5になるよね。」と声をかけ、次に「下の1を動かすよ。」といい、下に置かれた1のカードを上に移動させ上に置かれたカードにくっつけます。「1.5と1を合わせて全部で2.5になったね。」といい、ミニホワイトボードに1.5+1=2.5と書きます。

 

 

         写真9
         写真9
        写真10
        写真10

step4 支援ソフト「小数のきほん」による支援

 

 さんすうベーシックプラスさんすう3「小数のきほん」の中の『たしざん』の課題(図2図3)繰り返しおこなうことにより、小数の表記規則と+の操作的意味をしっかりと定着させていきます。

          図2
          図2
          図3
          図3