文章題で足し算かな?引き算かな?と悩んでしまう

 足し算や引き算の計算はできるのに、具体的な場面や文章題で足し算を使うのか引き算を使うのかで迷ってしまう子どもがいます。

写真1
       写真1

   お買い物の学習をしているときの話です。写真1のように具体物を前に置き「10円のうまいぼうと20円のペーパーキャンディを買います。いくらはらえばいいですか?」と尋ねたときに、首をひねって答えがなかなか出せない子どもがいます。「何算を使えばいい?」の問いに「足し算かな?引き算かな?」と悩んでしまいます。

 算数を苦手としている子どもをみていると、物の操作イメージが脳内で持てない(10円と20円を合わせるイメージ)、あるいは物の操作イメージと演算子(+-)が結びついていないなどのケースがあり、文章題が解けない要因にもなっています。

具体的な支援の方法

足し算ボックス
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step1 足し算ボックスによる支援

 

 2枚の紙皿にイチゴを何個かずつのせ、それぞれに何個ずつイチゴがあるか子どもに尋ねます。次に子どもと支援者がお皿を1つずつ持ち、箱の中に同時にイチゴを入れ紙皿で箱にふたをします。「箱の中にイチゴはいくつありますか?」と子どもに聞き、答えが合っているかどうか箱の中のイチゴを子どもと一緒に数えます。


もう一度、最初と同じようにイチゴを紙皿にのせ、「2個と3個を合わせると5個になるよね。」「これを算数では2+3=5といいます。」と伝えホワイト ボードに2+3=5と書き示します。いろんな場合をみせ、式を書いてもらい、物を合わせるという操作を+という記号で表すことを定着させていきます。

あわせていくつ
    図1 あわせていくつ
    図2 あわせていくつ
    図2 あわせていくつ

step2 支援ソフト「あわせていくつ」による支援

 

 さんすうベーシック・さんすうベーシックプラス「たしざんのがくしゅう」の中の『あわせていくつ』の課題は、画面の左と右に現れるペンギンの数を覚え、二つのペンギンの集合が合さる動きをよくみて、足し算の式を作っていくというものです。この課題を繰り返しおこなうことで、合わせるという動きと算数の記号+をしっかりと結び付けていきます。


写真5
        写真3

step3 お絵かき法による支援

 

 「みきさんは どんぐりを3こ、たけしさんは 4こひろいました。あわせて なんこ ひろいましたか。」のような合併の問題を、絵を描いて解く方法を示し、合わせるという動きと算数の記号+を結びつけていきます。

   プリントでも、必ず絵を描いてから立式してもらうようにします。そのために、絵を描くことができるスペースを作っておきます。

 

 


       写真4
       写真4
       写真5
       写真5

step4 具体物による支援

 

 それぞれの商品の前に商品の値段の硬貨を置き(写真4)、次に、それらを真ん中に持ってきて合わせると払わなければならない金額になることを示します(写真5)。

 次に「10円と20円を合わせるので何算?」と聞き、最後に10+20で払わなければならない金額が求められることを確認します。


step5 支援ソフト「おかいもの」による支援

さんすうベーシックプラス「たし算のひっ算」の中の「おかいもの」の課題で、実用的な力をつけていきます。